就職してしまったので,いろいろ振り返る
大学入学まで,から大学院,そして今に分けて書いていこうかと思う.
進路にいろいろ悩んでいる人がいたら参考にしてほしい.私は今も悩み続けているわけだが,
半分は自分の頭の整理のために
- 大学入学まで
数学が絶望的に苦手で,物理も意味が分からんかったから,文系で.でも文系の勉強を大学ではなんとなくしたくなかった.どちらかというと技術っぽいことをやってみたかったと感じていた.古文とか嫌いだったし.
それと,私が中学生くらいのときにリーマンショックを見て,簡単にリストラされることをなんとなく理解していたので,レアな資格?を持っておいて,好きな仕事を探してやる.首になったら資格を生かして仕事をするといったイメージを持っていた.さらに近年では文系からもプログラマになる人が多いと聞いたので,なんでもできるのだろうと考えていた.
結局船にあこがれを持っていたので,船ができて,文系からでも比較的入りやすい水産系の大学を選んだ.船乗りには航海士と機関士がいて,失礼な話だが,恐らく機関士の方が知名度が低く,人手不足なんだろうと思って選んだところもちょっとあったりする.機械とか好きだったけど.事実,船乗ってたというと航海士だと思われるし,機関士といっても理解してもらいないことも多い.
だから結局文系から理系へ理転した. - 大学では
実際やってみると数学とか物理とか大変だったけど,意外となんとかなった.きっと僕が苦手だったのは計算そのもので,関数電卓を使ってもよい大学の授業はかなり楽だった.関数電卓の機能をほぼフルで使いこなして乗り切ったようなものだと自負している.実際関数電卓の機能はすごく,統計計算や連立方程式,微積分も一瞬で解いてしまう.
ただ,実際乗船実習などを体験して機関士を仕事にするかは悩んだ.
まとまった休みは取れるといっても狭い船内での人間関係
拘束時間で考えた時の給料
結婚や子育てといったライフプラン
最近は改善しつつあるがネット環境
そこで二つの戦略を立てた.
戦略1:
船に3年ぐらい乗ってお金を貯めて辞めてから好きなことを探す
実際船乗りは給料がよく,生活スタイルによっては使いどころもないので,結構貯めることもできる.
戦略2:
海技免状を持っている修士や博士持ちが少ないため,それを逆手にとって付加価値をつけて楽に仕事をしていく.
実際船員自体がレアキャラで,さらにその中で商船・工学系以外の学位を持った人材は重宝されるのではと考えた.
たまたま,大学院の受験タイミングが早く,ご縁があり,戦略2の大学院進学をすることになる. - 大学院(修士)
情報系に興味はあったものの,数学が弱く,コーディングもそんなにできるわけではなかった.一応ちょっとだけ卒研で使ったJavaは理解していた.
そこで,マネジメント系(また理系から文系,文理融合系に移動)の研究を行った.
船舶の研究の場合どちらかというとエンジン性能の向上や船体など設備に研究が集中しがちになるため,機関士(人)に着目し,その機関室内のマネジメントやIoT化に繋がる研究を行った.結果的によかったと個人的には思っている.大変だったけど.
人が研究を行っている領域は簡単に研究に持っていくことができるが,あまりやられていない領域は研究に持っていくことが難しいということが分かった.英語にも苦労したし.
大学院は大学と違っていろんな専門分野から学生が来ており,自分の視野の狭さに気づかされた.また,プログラミングも結果的にある程度理解できたし,マネジメントの文献に触れたり,KJ法やデザイン思考を吸収する機会があったのは個人的には大変勉強になった.
また,インターンシップというものにも参加し,大企業の研究所に行くこともできた.よかったら受けてねと言われたけど,自信がなかったのと,自分のスキルとのギャップを感じてしまって受ける決心をすることはできなかった.でも意外なところでエンジンの知識が役に立ってよかったと思った.
修士の2年間はあっという間で貴重な時間だったと今も感じている. - 就職と大学院の続き
就職したのだけど,大学院の博士課程に残ることができた.奇跡的に希望が通った.
就職は舶用機器メーカーを選んだ.研究と仕事の両立となるとある程度自分が理解できる業務をしていて,関連性がある方が得だと感じたからだ.これからは正直どうなるかわからない.周りの博士課程の皆様のように自分に実力があると感じたことは一切ない.なんとか危ない橋を運よくわたり切ってきたとしか思えない.
でもやれるとこまでやっていこうと思う.
振り返ってみると分野をコロコロと変えやってきた.でも意外と何とかなったし,何とかした.だからきっと大丈夫と思うことにしている.皆様の参考になれば